Inalchi
Quduqa-beki's son, Genghis Khan's son-in-law

Inalchi

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Quduqa-beki's son, Genghis Khan's son-in-law
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Introduction 概要 子孫 オイラト部クドカ・ベキ王家 延安公主 脚注
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Biography

Introduction

イナルチ(モンゴル語: Inalči,中国語: 亦納勒赤,? - ?)は、13世紀初頭にチンギス・カンに仕えたオイラト部族長クドカ・ベキの息子。『モンゴル秘史』などの漢文史料では亦納勒赤(yìnàlèchì)、『集史』などのペルシア語史料ではاینالجی(īnāljī)と記される。

概要

12世紀末から13世紀初頭にかけてオイラト部族長の地位にあったクドカ・ベキの息子として生まれ、兄弟にはトレルチ、オグルトトミシュらがいた。

1208年、モンゴル高原北西部の「ホイン・イルゲン(森林の民)」の中で最も早くチンギス・カンに投降したクドカ・ベキはその功績を評価され、クドカ・ベキの息子トレルチがチンギス・カンの娘チチェゲンを娶り、チンギス・カンの息子トゥルイがクドカ・ベキの娘オグルトトミシュを娶る「交換婚」が計画された。これ以後、クドカ・ベキ家はチンギス・カン家と密接な婚姻関係を結ぶ姻族として栄えていくことになる。

トゥルイ家と深い関係を築いたトレルチに対し、イナルチはチンギス・カンの長男ジョチの家系と深い関係を結んだ。ジョチの息子で、その後継者となったバトゥは自身の姉妹であるコルイ・エゲチをイナルチに与え、イナルチとコルイ・エゲチの間にはウルドという息子が生まれた。

イナルチとトレルチがチンギス・カン家の女性を娶ったことは広く知られており、『モンゴル秘史』、『元史』、『集史』、『黄史(シラ・トージ)』といった諸史料に記録されているが、これらの史料の記述は相互に矛盾した内容を記載している。『集史』はイナルチがコルイ・エゲチを、トレルチがチチェゲンを娶ったとするが、『モンゴル秘史』はそれぞれの結婚相手を逆にし、『シラ・トージ』もこれを踏襲する。一方、『元史』はトレルチがチチェゲンを娶ったとする点で『集史』と一致するが、コルイを娶ったのは「カダ(哈答)駙馬」とし、イナルチの名を記さない。

現在では『集史』の「イナルチとコルイ、トレルチとチチェゲンがそれぞれ結婚した」という記述が最も正しく、『モンゴル秘史』の記述が誤っていると考えられている。また、『元史』がコルイの結婚相手と記す「カダ(哈答)駙馬」はイナルチの別名ではないかと推測されている。

子孫

『集史』「オイラト部族史」によると、イナルチとコルイの間にウルド(اولدو/ūldū)という息子が生まれ、ウルドにはニグベイ(نیكبی/nīkbei)とアク・テムル(اقو تیمور/āqū tīmūr)という二人の息子がいたという。

ニグベイとアク・テムルは祖母の実家たるジョチ家のコニチ(オルダ・ウルス当主)に仕えており、ジャライル軍の4千人隊を率いていた。

オイラト部クドカ・ベキ王家

  • クドカ・ベキ(Quduqa Beki >忽都合別乞/hūdōuhébiéqǐ,قوتوق بیكی/qūtūqa bīkī)…オイラト部の統治者で、チンギス・カンに降る
    • イナルチ(Inalči >亦納勒赤/yìnàlèchì,اینالجی/īnāljī)…ジョチの娘コルイ・エゲチを娶る
      • ウルド(Urdu >اولدو/ūldū)
        • ニグベイ(Nigübei >نیكبی/nīkbei)
        • アク・テムル(Aq Temür >اقو تیمور/āqū tīmūr)
    • トレルチ・キュレゲン(Törelči >脱劣勒赤/tuōlièlèchì,تورالجی كوركان/tūrāljī kūrkān)…チンギス・カンの娘チチェゲンを娶る
      • ブカ・テムル (オイラト部)(Buqa Temür >بوكا تیمور/būqā tīmūr)…チンギス・カンの娘チチェゲンを娶る
        • チョバン・キュレゲン(Čoban >جوبان كوركان/jūban kūrkān)…アリク・ブケの娘ノムガンを娶る
        • チャキル・キュレゲン(Čakir >جاقر كوركان/jāqir kūrkān)…フレグの娘モングルゲンを娶る
      • ブルトア(Burto'a >بورتوا/būrtūā)
      • バルス・ブカ・キュレゲン(Bars buqa >بارس بوقا/bārs būqā)…アリク・ブケの娘エル・テムルを娶る
        • ベクレミシュ・キュレゲン(Beklemiš >別里迷失/biélǐmíshī,بیكلمیش/bīklamīsh)…名称は不明だが、チンギス・カン家の女性を娶る
        • シーラップ・キュレゲン(Širap >沙藍/shālán,شیراپ/shīrāp)…名称は不明だが、チンギス・カン家の女性を娶る
        • エメゲン・カトン(Küik qatun >امكان خاتون/āmkān khātūn)…アリク・ブケ家のメリク・テムルに嫁ぐ
      • エルチクミシュ・カトン(El čiqmiš qatun >یلجیقمیش خاتون/īljīqmīsh khātūn)…トゥルイ家のアリク・ブケに嫁ぐ
      • クイク・カトン(Küik qatun >كویك خاتون/kūīk khātūn)…トゥルイ家のフレグに嫁ぐ
      • オルガナ・カトンOrγana qatun >اورقنه خاتون/ūrqana khātūn)…チャガタイ家のカラ・フレグに嫁ぐ
      • クチュ・カトン(Küčü qatun >كوجو خاتون/kūjū khātūn)…ジョチ家のトコカンに嫁ぐ
      • オルジェイ・カトン(öiǰei qatun >اولجای خاتون/Ūljāī khātūn)…トゥルイ家のフレグに嫁ぐ
    • オグルトトミシュOγul tutmiš >اوغول توتمیش/ūghūl tūtmīsh)…トゥルイ家のモンケ・カーンに嫁ぐ

延安公主

  1. コルイ・エゲチ公主(Qolui egeči >火魯/huŏlŭ,قولوی یکاجی/qūlūy īkājī)…ジョチの娘で、イナルチに嫁ぐ
  2. チチェゲン公主(Čičegen >闊闊干,جیجاکان/jījākān)…チンギス・カンの娘で、トレルチに嫁ぐ
  3. トクトクイ公主(Toqtoqui >脱脱灰/tuōtuōhuī)…クビライ・カーンの孫娘で、トゥマンダルに嫁ぐ
  4. □□公主…名前や出自は伝わっていないが、ベクレミシュに嫁ぐ
  5. □□公主…名前や出自は伝わっていないが、シーラップに嫁ぐ
  6. 延安公主…名前や出自は伝わっていないが、延安王エブゲンに嫁ぐ

『元史』に記載のないクドカ・ベキ家に嫁いだチンギス・カン家の女性

  1. ノムガン(Nomuγan >نوموغان/Nūmūghān)…アリク・ブケの娘で、チョバンに嫁ぐ
  2. エル・テムル(El temür >یلتمور/īltemūr)…アリク・ブケの娘で、チョバンに嫁ぐ

脚注

  1. ^ 志茂2013,773頁
  2. ^ トレルチとチチェゲンの婚姻は当初の予定通り成立したものの、トゥルイとオグルトトミシュの婚姻はトゥルイが早世したため成立せず、代わりにトゥルイの長子モンケがオグルトトミシュを娶ることになった。
  3. ^ 宇野1993,90頁
  4. ^ 村上1976,89/103頁
  5. ^ 岡田2010,361頁
  6. ^ 志茂2013,775頁